尾崎健吾とは、鬼木勝彦や海江田和代と同様、1年生の時同じクラスだった。高校入学して春先、ゴールデンウイーク前、掃除の時間尾崎は、廊下でほうきをギターに見立て、ふざけ半分に『アイ・ラヴ・ユー,OK』を歌っていた。
そこへ良雄が、「あっ、それ、永ちゃんだろ」と声をかけると、
尾崎は、目を輝かせて、「おー!よく知ってんなー、おまえ!」と応えた。
良雄はその頃、あまり矢沢永吉について詳しくなかったが、代表曲は何曲か知っていた。
次の日、尾崎は良雄に、『成りあがり』の文庫本を貸してくれた。そして、「これ読んでみろよ。人生変わるぞ」と言った。
良雄はその本を何十回と読み直した。人生はまだ変わっていないが、読んでいるあいだは、変わりそうな予感を抱いた。
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作詞 銀色夏生 作曲 大澤誉志幸
発売日 1983年 アルバム「まずいリズムでベルが鳴る」に収録