00’Sー02 ♪fry♪ MONKEY MAJIK
桐原が勤務する工場では、海外向けに出荷する“発電機”を製造している。製造方法は、ライン製造と呼ばれるもので、長さ約50メートルの直線のレーンをあいだに挟み、合計約100名の工員が1メートル置きに向かい合わせになるかたちで並び、約50の工程に分かれ、ベルトの上を3秒間隔で流れてくる商品を仕上げていく。
桐原はこの中で、エンジン部分に燃料タンクを取り付ける工程を担当している。
午前7時から午前11時まで計4時間。時給1千円。週5日勤務。もちろんこれだけでは、生活していくことはできず、桐原はもう一つ仕事をしている。それは、地元が発行する月刊タウン情報誌への原稿執筆だ。桐原は、その情報誌の中で、CDレビューとグルメレポートを書いている。
しかし、この2つの仕事でもまだ生活費には足りない。足りない分は、前職の大手証券会社勤務時代に貯めた貯金を切り崩している。
コンビニの駐車場に停めた車の運転席で桐原は、パンを食べ終えると、残ったコーヒーを飲みながら、携帯電話を開き、CDレビューのための原稿を打つ。CDは、カナダのバンド”ニッケルバック”のニューアルバム。桐原は黙々と文字を打ち続けた。
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作詞 tax 作曲 Maynard&Blaise
発売日 2006年 アルバム「thank you.」に収録
〜この物語のあらすじ〜
妻子と別居中、小説家志望の中年男性[桐原健介]と、学校ではいじめを受け、複雑な家庭環境に身を置く、天性の美しい歌声を秘めた女子中学生[藤倉奈津美]。この全く面識のない二人の、それぞれのライフが、ある日、一瞬だけすれ違う。そしてそのあと二人のライフは新たな章へと展開してゆく。
