J-Song Stories

00年代の日本のロック・ポップをBGMにえがいた人間"熱いぜ"ストーリーです。

80’Sー03 ♪ラブ パッション♪ レベッカ

末テスト2日目。教室はしんと静まり、みんな、頭を机に向けている。担当の教師は、廊下にいる。廊下の窓は、すべて開け放たれている。良雄の席は、黒板に向かって、廊下側から2列目、1番後ろの席だ。その前の席に和代がいる。

和代は1年生のちょうど今頃、1学期の終わりに東京から鹿児島のこの田舎町の高校に編入してきた。父親はいない。和代の母親は、良雄の母親と同じ、漁協で、同じく経理事務をしている。和代は成績優秀だ。クラスで1、2番、学年でも常に5番以内に入っている。部活はバスケ部、キャプテン。おまけに美人だ。性格は気さくで、どちらかというと男っぽい。良雄は和代と1年生からずっと同じクラスだった。

テストの終了のチャイムが鳴る。一斉に後ろから用紙をまわす。良雄が和代に用紙を渡すと、振り向いた和代が、「ねー良雄、ちょっと数学教えて」と言った。次は、数学のテストだ。和代は唯一数学が苦手だ。良雄は唯一数学が得意だった。「あーいいよ」

別に和代と良雄は付き合っているわけではない。だが、良雄は、数学の教科書を開く和代を見ながら、尾崎と決闘をしているシーン、砂浜で、そう、宮本武蔵佐々木小次郎が決闘しているような、勝手に重ね合わせて、シーンを思い描いていた。

 

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作詞 NOKKO 宮原芽映 作曲 土橋安騎夫

発売日 1985年  「WILD&HONEY」に収録

 

 

WILD&HONEY

WILD&HONEY

 

 

 

ラブ・パッション (remixed edition)

ラブ・パッション (remixed edition)