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J-Song Stories

00年代の日本のロック・ポップをBGMにえがいた人間"熱いぜ"ストーリーです。

80’Sー33 ♪だいすき♪ 岡村靖幸

け放たれた教室の窓から、西日が差し込む。と同時に、ゆっくりと、夕方にふさわしい少しだけ涼しい風が流れてきた。

3階にある教室の窓からは、グラウンドを見下ろすことができる。

グラウンドでは、サッカー部と野球部がまだ練習をしていた。

大きな掛け声、金属バットからの打球音が、あたりに響く。

窓際で、そんな光景を眺めていた大久保清人が、後ろを振り向く。

教室には、良雄、尾崎、鬼木、そして和代が、それぞれ少し離れて、椅子に腰掛けていた。

「しかしお前らもようやるよなあ!」と、大久保清人が、両手を腰に当て、白い歯をみせながら、満面の笑顔で言った。

大久保清人は、4人の1年生の時のクラス担任だ。今は、良雄と和代のクラス担任だ。

「まあ結局、何も起こらなかったからな、良かったぞ」

そう言いながら大久保清人は、尾崎健吾の方に近づき、尾崎健吾の肩を軽く叩いた。

そして、「健吾オ、お前もあんまり無茶すんな。卒業できんごとなるぞ」

と、続けた。

さらに、和代の方を向いて、

「和代もな、何かあったらすぐ学校に連絡すること」

と言った。

「すみません」と、和代。

大久保清人は、鬼木にも笑顔で声をかけた。

「お前も良かったな! けんかにボクシング使わなくて」

それから、

良雄にも、笑いながら。

「しかし良雄オ、お前がまさかな。・・・はずしたけどオ!」

「はー・・・」

良雄も、そう答えながら少し笑った。

みんなも少し笑った。

「よオーし! おしまい!! みんな帰れ」

大久保清人は、両手を腰から離し、その両手で、下から風を送るようにして、あおった。

夕陽が、だいぶ地平線のほうへ、傾いていた。

 

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作詞 岡村靖幸 作曲 岡村靖幸

発売日 1988年 アルバム「靖幸」に収録

 

 

だいすき

だいすき

  • 岡村 靖幸
  • ロック
  • ¥250

 

 

靖幸

靖幸